怪我が治ったあとも身体に違和感が残るのはなぜ?|かばう動きと回復後の身体

転んだ。
ぶつけた。
スポーツで筋肉を痛めた。
骨折や手術を経験した。
そうした怪我が治ったあとに、
「傷は治ったと言われたのに、何となく動きづらい」
「以前と同じように身体を使えない」
「昔怪我をしたところを、今でも時々気にする」
ということがあります。
怪我をした組織そのものが回復しても、身体全体が怪我をする前とまったく同じ状態へすぐに戻るとは限りません。
怪我をかばっていた期間に動き方が変わったり、筋力や関節の動く範囲が落ちたり、周囲の筋肉に緊張が残ったりすることがあるからです。
このページでは、「怪我は治ったのに、なぜ身体に違和感が残ることがあるのか」について、福粋がどのように見ているのかをお伝えします。
怪我の直後、身体では修復が始まります
身体をぶつけたり、筋肉や靭帯などを傷めたりすると、痛みや腫れ、熱感、内出血などが現れることがあります。
怪我をした組織では炎症反応が起こり、その後、修復や再構築が進んでいきます。
筋肉の損傷でも、一般に損傷・炎症の段階から、修復、そして組織が再構築され機能を取り戻していく段階へ進みます。
炎症そのものは、身体が損傷した組織へ対応する過程の一部です。
ただし、
「痛いから修復が順調に進んでいる」
と考えることはできません。
痛みの強さだけでは、組織がどの程度損傷しているのか、どの程度回復しているのかを判断することはできないからです。
強い痛みや大きな腫れ、変形、体重をかけられない、動かすことが難しいといった状態がある場合には、骨折や大きな損傷が隠れていることもあるため、整体より先に医療機関での確認が必要です。
痛みが減った=身体が完全に元通り、とは限りません
怪我の回復では、痛みが先に減ることがあります。
たとえば骨折では、痛みが落ち着いていても、骨が通常の負荷に十分耐えられる状態まで回復していない場合があります。
回復期間も、骨折した場所や程度、年齢などによって異なります。
筋肉の損傷でも、傷んだ組織が修復されていく中で、筋線維の再生だけでなく瘢痕組織の形成や再構築が起こります。
そのため、
痛みがなくなった
骨がつながった
傷口が閉じた
ということと、
怪我をする前と同じように身体を使える
ということは、必ずしも同じではありません。
怪我をかばっている間に、身体の使い方が変わることがあります

脚を怪我すると、痛い側へ体重をかけないように歩くことがあります。
腕を痛めれば、その腕をなるべく使わず、反対側で物を持つようになることもあります。
これは身体を守るための自然な反応です。
問題なのは、それが悪いことなのではなく、
かばう期間が長くなることで、身体がその動き方に慣れてしまうことがある
ということです。
たとえば、
片側の脚へ体重をかけやすくなる
歩く時に身体を傾ける
肩を動かさないようにする
腰や背中へ力を入れて患部を守る
反対側の手足を多く使う
といったことが続く場合があります。
怪我をした場所が回復したあとにも、
「まだ何となくかばっている」
「以前とは身体の使い方が違う」
という状態が残ることがあります。
動かさなかったことで、筋力や可動域が落ちることもあります
怪我の直後には、患部を保護したり休ませたりする必要があります。
一方で、長い間まったく動かさない状態が続けば、筋力や関節の動く範囲が低下することがあります。
骨折後でも、固定していた期間を経て筋力や可動域が落ちることがあり、その後に運動などで少しずつ回復させていきます。
軟部組織の怪我についても、最初は無理をせず保護しながら、痛みが落ち着いてきたら状態に合わせて少しずつ動きを戻していくことが大切です。
怪我の直後は休むことが必要でも、「長く休めば休むほど回復しやすい」とは限りません。
今どの段階なのかによって、休ませた方がよい時と、少しずつ動かした方がよい時があります。
怪我や手術のあと、組織そのものにも変化が残ることがあります
筋肉を傷めた場合、組織は単純に「切れたものが元通りにつながる」だけではありません。
損傷後には、傷んだ筋線維の修復とともに結合組織の瘢痕が形成され、その後さらに再構築されていきます。
手術や大きな外傷でも、傷跡や周囲組織の変化が残ることがあります。
ただし、
「古傷が痛むのは筋膜が癒着しているから」
「血管が圧迫されて血流が悪いから」
と一つに決めつけることはできません。
古い怪我のあとに感じる痛みや違和感には、組織そのものだけでなく、筋力、関節の動き、かばう癖、神経の反応など、いくつものことが関係している可能性があります。
「筋肉が硬い」だけで原因を決めない
怪我をしたあとに、その周囲の筋肉へ力が入り続けることがあります。
身体が患部を守ろうとしている場合もあれば、使い方が変わった結果として特定の場所へ負担が集まっていることもあります。
触れてみると、
「以前怪我をした側だけ緊張が強い」
ということもあります。
ただし、
筋肉が硬い=そこが不調の原因
とは限りません。
筋肉の緊張も、身体の状態を知るための情報の一つです。
福粋では、
どこに緊張があるのか。
左右の動きに違いがあるのか。
どの動きで違和感が出るのか。
身体に触れた時にどのような反応があるのか。
といったことを見ながら、今の身体で何が起きているのかを確認します。
回復した身体には、少しずつ動きを取り戻していく時間も必要です
怪我からの回復では、
「患部を守ること」
だけではなく、
その後に身体を使える状態へ戻していくこと
も大切です。
これは、無理をして痛みを我慢しながら動かすという意味ではありません。
状態に合わせて、
少し動く。
少し休む。
また動きを確認する。
というように、身体の反応を見ながら進めていきます。
一度に元通りへ戻そうとしなくてもよいのです。
古傷があるから、今の不調の原因とは限りません
昔怪我をしたことがあると、
「この痛みは、あの怪我が原因なのではないか」
と思うことがあります。
実際に、過去の怪我によって身体の使い方が変わり、それが今の状態に関係していることもあります。
一方で、昔の怪我があるからといって、それが現在の症状の原因とは限りません。
たとえば20年前に足首を捻挫したことと、今の腰痛が必ずつながっているとは言えません。
福粋では、「昔ここを怪我したから、全部ここが原因です」とは決めつけません。
過去の怪我も大切な情報として伺いますが、今の姿勢や動き、筋肉の緊張、触れた時の反応なども合わせて見ていきます。
怪我の急性期は、整体より医療機関を優先します
怪我をした直後に、
強い痛みがある
腫れや内出血が大きい
身体の形が明らかに変わっている
手足に体重をかけられない
関節や手足をほとんど動かせない
痛みや腫れが悪化している
しびれや感覚の異常がある
といった場合には、まず医療機関で状態を確認してください。
整体で骨折や靭帯損傷などを診断することはできません。
まず必要な検査や治療を受け、その後の段階で身体の動きや緊張が気になる場合に、整体という選択肢を考える方が安全です。
福粋では、怪我の「跡」だけではなく今の身体を見ます
「昔怪我をしたところが気になる」
という方が来院された時も、怪我をした場所だけを施術するとは限りません。
怪我のあとに、
身体をどのように使っているのか。
左右差があるのか。
動きにくい方向があるのか。
どこに力が入りやすいのか。
実際に触れた時、身体がどのように反応するのか。
そうした今の状態を確認します。
怪我そのものを治療するのではなく、怪我から時間が経った現在の身体が、どのように動いているのかを見るという考え方です。
施術によって動きやすさが変われば、それも情報になります。
変化がなければ、それもまた情報です。
必要なら、整体以外の方法や医療機関での確認を考えることもあります。
怪我をした身体も、その後ずっと変わり続けています
怪我をすると、
「自分の身体はもう元には戻らないのではないか」
と感じることがあります。
確かに、怪我によって身体に何らかの変化が残ることはあります。
しかし、身体は怪我をした瞬間の状態で止まっているわけではありません。
損傷した組織は修復され、その後も身体は新しい状態へ適応していきます。
筋力が戻ることもあります。
動ける範囲が広がることもあります。
かばわずに歩けるようになることもあります。
だから福粋では、
「昔怪我をしたから、もうこの身体は変わらない」
とは考えません。
過去の怪我を原因として決めつけるのではなく、
今の身体に何が残っているのか。
今どこまで動けるのか。
これからどの方向なら変わっていけそうなのか。
を確認していきます。
怪我をした身体も、その後ずっと変わり続けています。
その今の身体を見ながら、無理のない範囲で動きやすい方向を一緒に探していくことを大切にしています。
身体が持っている回復の働きについては、「回復の力」でも詳しくお伝えしています。


