整体で「どこが痛いですか?」だけを聞かない理由|最初の答えで原因を決めないために
整体院で最初に聞かれることの一つに、
「どこが痛いですか?」
があります。
もちろん、痛む場所を確認することは大切です。
腰が痛いのか。
肩がつらいのか。
頭痛があるのか。
脚にしびれがあるのか。
症状を知ることは、身体を見るための大切な入口になります。
ただ福粋では、「どこが痛いですか?」と聞いて、その答えだけで身体を見る場所を決めることはしていません。
たとえば、
「腰が痛いです」
と聞いたからといって、
「では腰が悪いですね」
とは考えないということです。
同じ「腰痛」でも、起きていることは同じとは限りません
一言で「腰痛」といっても、その現れ方は人によって違います。
朝起きた時につらい方もいれば、長時間座った後につらくなる方もいます。
歩いている時につらい方もいれば、立ち上がる瞬間だけ痛む方もいます。
腰そのものに強い緊張を感じることもあれば、股関節や脚、背中など、離れた場所の状態が強く表れていることもあります。
「腰が痛い」
↓
「腰が原因」
↓
「腰を施術する」
福粋では、このように一直線には考えません。
症状の名前は大切な情報ですが、それだけでその人の身体全体が分かるわけではないからです。
「なぜ?」と問いを重ねる意味
身体についてお話を伺っていると、
「いつからですか?」
「どんな時につらくなりますか?」
「反対に、少し楽な時はありますか?」
「その頃、生活の中で何か変わったことはありましたか?」
と、少しずつ質問を重ねることがあります。
これは、質問をたくさんして正解を当てたいからではありません。
最初に出てきた答えだけで、その人の身体を決めつけないためです。
「腰が痛い」という言葉の奥に、
長時間の仕事が続いていたことがあるかもしれません。
眠れていない時期が続いていたかもしれません。
身体の使い方が変わった時期と重なっているかもしれません。
あるいは、特に思い当たることがない場合もあります。
質問を重ねたからといって、必ず一つの答えにたどり着くわけではありません。

答えを無理に掘り出すことはしません
「なぜ?」と聞くことには意味があります。
ただし、人の身体や心は、何度か質問すれば必ず本当の原因が出てくるほど単純ではないとも思っています。
何度も「なぜ?」と聞かれるうちに、本人もよく分からないまま、
「たぶん仕事のストレスだと思います」
「姿勢が悪いからかもしれません」
と、もっともらしい答えを作ってしまうこともあります。
その答えが間違っているとは限りません。
でも、それを聞いた施術者が、
「では原因はストレスですね」
とすぐに決めてしまえば、また別の決めつけになります。
問いを持つことと、
答えを急がないこと。
福粋では、その両方を大切にしています。
お話と身体の反応を一緒に見ます
問診で聞いたことだけで施術を決めるわけでもありません。
実際に姿勢や動き、筋肉の緊張、触れた時の身体の反応なども確認します。

お話では腰が一番気になっていたけれど、身体を見ると別の場所が強く気になることもあります。
反対に、いろいろな場所を確認しても、身体の中にはっきりした優先順位が感じられないこともあります。
そんな時には、
「今は何が一番強く表れているのだろう」
と考えながら、一つずつ確認していきます。
そして、
「今はここから見ていくとよいのではないか」
と一度方向を置いて施術し、その後の身体の反応を見ます。
→ 「福粋の整体について|強く押さず、身体の反応を見ながら整える理由」について詳しく見る
最初の見立てが違っていることもあります
施術をした後に、
動きやすくなった。
力が抜けた。
痛みが少し変わった。
という反応があれば、その方向が今の身体に合っていた可能性があります。
一方で、思ったほど変化しないこともあります。
そんな時、
「もっと強くやれば変わるはず」
「別の原因を何としても探さなければ」
と考えるのではなく、
「最初に見ていた方向が違っていたのかもしれない」
と考えることがあります。
施術によって変化しなかったことも、身体から返ってきた一つの情報だからです。
→ 「整体院では何を検査するのか|福粋が身体の反応を確認する理由」について詳しく見る
問いそのものを変えることもあります
最初は、
「どこが原因なのだろう?」
と考えていたとしても、身体を見ていくうちに、
「本当に身体の中だけの問題なのだろうか?」
「疲労や睡眠の影響が大きいのではないか?」
「今は整体で変えようとするより、休むことが必要なのではないか?」
「医療機関で確認した方がよい状態ではないか?」
と、問いそのものが変わることもあります。
同じ質問を繰り返すことだけが、深く見ることではありません。
身体の反応によって、
問いそのものを変えられることも大切だと思っています。
「原因を見つけること」が目的ではありません
整体を受ける方の中には、
「結局、私の原因は何ですか?」
と知りたい方もいます。
その気持ちは自然だと思います。
原因が分かれば、安心できるように感じるからです。
ただ、実際の身体は、
「これ一つを直せばすべて解決する」
と簡単に分けられないことがあります。
そのため福粋では、
「あなたの原因はこれです」
と一度で言い切ることより、
今、何が一番強く表れているのか。
そこへ働きかけると、身体はどう反応するのか。
その反応を見て、次に何を考えるのか。
という流れを大切にしています。
→ 「『原因は何ですか?』と聞かれたとき、私が一つに決めつけない理由」について詳しく見る
最初に出てきた答えで、その人を決めない
「腰が痛い」という言葉は、その人の身体を知る入口です。
でも、入口を見つけたからといって、そこがすべてではありません。
お話を聞く。
身体を見る。
触れてみる。
動いてもらう。
施術をして反応を見る。
そして必要なら、もう一度考える。
福粋では、その繰り返しの中で身体を見ています。
分からないことを、無理に言い切らない。
でも、分からないまま何もしないのではなく、今確認できることを一つずつ重ねていく。
「どこが痛いですか?」という最初の質問から始まっても、その答えだけで終わらせない。
それが、現在の福粋が
問診と身体の確認を通して
大切にしていることです。
