正しいフォームが身体に合わないこともある|見本どおりに動けなくても大丈夫です

※この記事は、一般的な情報と、整体院福粋で身体を見てきた経験、院長自身のトレーニング経験をもとに書いています。運動中に強い痛みや違和感が出る場合は、無理に続けず、必要に応じて医療機関へご相談ください。

正しいフォームが身体に合わないこともある|見本どおりに動けなくても大丈夫です

筋トレの動画や本を見ると、「正しいフォーム」が紹介されています。

足をどのくらい開くのか。

膝や肘をどこまで曲げるのか。

背中をどの角度に保つのか。

重りをどの軌道で動かすのか。

見本を確認しながら、自分も同じ形になるように動こうとする方は多いと思います。

しかし、見本と同じように動こうとした時に、肩や腰、膝などへ違和感が出ることがあります。

そのような時、「自分のフォームが間違っている」と考えるかもしれません。

けれど、フォームが間違っているのではなく、一般的に正しいとされる形が、現在の自分の身体にそのまま合っていないこともあります。

正しいフォームは、身体を守るための目安です。身体を無理に型へ押し込むためのものではありません。

椅子を目安にスクワットを行い、身体に合う動きを確かめている女性

見本どおりに動こうとして、痛くなったことはありませんか?

たとえば、スクワットの動画を見て、「できるだけ深く腰を下ろす」と説明されていたとします。

見本の人は、背中を安定させたまま深くしゃがんでいます。

そのため、自分も同じ深さまで腰を下ろそうとしたところ、膝や股関節、腰などに違和感が出ることがあります。

ショルダープレスでも、見本と同じ位置まで肘を下ろした時に、肩の前側や奥に引っ掛かりを感じることがあります。

腕立て伏せで胸を床近くまで下ろそうとして、肩や手首に負担を感じる方もいます。

この時、見本のフォーム自体が間違っているとは限りません。

ただ、その形を行っている人と、自分の身体は同じではありません。

骨の形や関節の動きは、人によって違います

同じ身長や体重の人でも、身体のつくりはまったく同じではありません。

たとえば、次のような違いがあります。

  • 骨の長さや形
  • 肩関節や股関節の向き
  • 手足の長さ
  • 胴体の長さ
  • 関節が動かせる範囲
  • 筋肉の付き方や使いやすさ
  • 過去のけがや身体の緊張

このような違いがあれば、同じ種目を行っても、自然な足幅や手幅、身体の傾き、動かしやすい範囲は変わります。

つまり、同じ人間が同じ種目をしていても、フォームは少しずつ違っていて当然です。

外から見ると似た動きであっても、身体の内側では、力がかかっている場所や筋肉の使われ方が異なることがあります。

見本と同じ形にならないことは、必ずしも失敗ではありません。

整体の型を学んだ時にも、同じことを感じました

私が初めて整体を学んだ時にも、基本となる施術の型がありました。

先生の立ち方、手の位置、身体の向き、重心の移し方などを見て、生徒が同じように真似ていきます。

もちろん、最初に型を学ぶことは大切です。

何も分からない状態では、身体をどのように使えばよいのか判断できないからです。

一方で、私は当時から、先生の動きを写真のように真似ても、まったく同じにはならないだろうと感じていました。

先生と生徒では、身長も、腕の長さも、筋力も、身体の柔らかさも違います。

先生の身体に自然な型を、そのまま別の人の身体へ当てはめても、どこかに無理が生じる可能性があります。

まず型を参考にし、その後、自分の身体で安定して行える動きへ調整していく必要があります。

筋トレのフォームにも、同じことが言えると思います。

先生の施術を参考にしながら、整体の型を練習する生徒

一見きれいなフォームでも、負担が積み重なることがあります

フォームが見た目にはきれいでも、身体の中では一部分に負担が集中している場合があります。

わずかに肩が前へ入りすぎている。

膝や肘の軌道が少しずれている。

腰を反らせることで、重りを動かしている。

使いたい筋肉ではなく、別の部分が頑張っている。

そのずれが小さければ、一回のトレーニングですぐに痛みが出るとは限りません。

しかし、同じ動きを何度も繰り返すことで、少しずつ疲労が積み重なることがあります。

最初は、

「何となく動かしづらい」

「いつもより肩が重い」

「関節に少し引っ掛かりを感じる」

という程度かもしれません。

それでも同じフォームを続けていると、やがて明確な痛みへ変わることがあります。

痛みが出る前の小さな違和感は、フォームを見直すための身体からの情報です。

痛くないことと、身体に合っていることは同じではありません

運動中に痛みがなければ、そのフォームは安全だと思うかもしれません。

しかし、身体への負担は、必ずその場ですぐ痛みとして現れるとは限りません。

運動中は問題がなくても、その日の夜や翌日に違和感が出ることがあります。

また、数週間や数か月続けた後で、少しずつ関節が痛くなることもあります。

そのため、フォームが身体に合っているかを確認する時は、運動中だけでなく、その後の身体も見ていく必要があります。

  • 運動後に関節が重くなっていないか
  • 翌日に引っ掛かりや違和感が残っていないか
  • 日常動作が行いづらくなっていないか
  • 同じ部分へ毎回疲労が集中していないか

前回の記事でお伝えしたように、翌日の身体まで確認して、一回のトレーニングを見ていくことが大切です。

初めて筋トレをする時の負荷の考え方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

初心者が筋トレで身体を痛めないために|最初は「身体を調べる日」

フォームが崩れる前に終えても大丈夫です

トレーニングを続けて筋肉が疲れてくると、最初は安定していたフォームが崩れ始めます。

たとえば、次のような変化です。

  • 勢いをつけなければ重りが動かなくなる
  • 身体が左右へ傾く
  • 肩がすくむ
  • 腰を強く反る
  • 膝や肘の動く方向が安定しなくなる
  • 呼吸を長く止めるようになる

このような状態になった時は、目標回数に届いていなくても、そこで終えて構いません。

最後まで回数をやり切ることよりも、身体を自分で制御できる範囲で終えることを優先します。

フォームが崩れてから行った回数は、狙った筋肉への刺激よりも、別の部分への負担を増やすことがあります。

強い筋肉痛や限界までの追い込みを成果の目印にしなくてよい理由は、こちらの記事で紹介しています。

筋肉痛を成果の目印にしなくてよい理由|痛くなくても筋トレは無駄ではありません

動作中は、筋肉の伸び縮みに意識を向けます

見本の形だけを追いかけると、手足をどこへ動かすかばかりを意識しやすくなります。

すると、見た目のフォームは近づいても、使いたい筋肉があまり働いていないことがあります。

私がフォームを安定させるために大切だと感じているのは、

動作中に、使いたい筋肉が伸びたり縮んだりする感覚へ意識を向けることです。

たとえば、腕の力こぶの部分を鍛えるカールであれば、重りを上げることだけを目的にしません。

肘を曲げる時に、上腕二頭筋が縮んでいく感覚を確かめます。

重りを下ろす時にも、筋肉が急に力を抜くのではなく、伸びながら重さを支えている感覚を見ていきます。

筋肉の動きに意識を向けると、勢いで重りを振り回しにくくなり、動作もゆっくり安定しやすくなります。

また、狙った筋肉ではなく別の場所へ負担が逃げていることにも気づきやすくなります。

筋肉の伸び縮みをほとんど感じられず、関節ばかりに負担を感じる場合は、重さや動かし方を見直す目安になります。

軽いダンベルを持ち、腕の筋肉の伸び縮みに意識を向けている女性

筋肉を感じられない時は、重さを軽くしてみます

重い重量を扱うと、持ち上げることに精一杯になりやすくなります。

身体は何とか重りを動かすために、勢いや別の筋肉も使い始めます。

その結果、狙った筋肉の伸び縮みが分かりにくくなることがあります。

そのような時は、重さを軽くしてみます。

軽くすると、筋肉がどのように動いているかを感じる余裕が生まれます。

フォームを整えるためには、重い重量を扱うことよりも、動きを自分で制御できることが大切です。

軽い重りで動きを確かめることは、後退ではありません。

現在の身体に合うフォームを見つけるための調整です。

今の身体に合わせて、動きを変えてもよいのです

フォームが身体に合わない時は、見本に近づけるために無理をするのではなく、動きを調整します。

たとえば、次のような方法があります。

  • 重りを軽くする
  • 動かす範囲を小さくする
  • 足幅や手幅を少し変える
  • 動作をゆっくり行う
  • 壁や椅子を支えに使う
  • 同じ部分を鍛える別の種目へ変える
  • 違和感がある日は、その種目を行わない

やりにくい種目を中止することも、調整の一つです。

その種目ができなければ身体が鍛えられない、ということではありません。

同じ筋肉を動かす方法は、ほかにもあります。

見本どおりより、安定して繰り返せることを見る

一度だけ見本と同じ形ができても、毎回その動きを安定して再現できなければ、現在の身体には難しいフォームかもしれません。

よいフォームかどうかを見る時は、形の美しさだけでなく、次のような点も確認します。

  • 毎回ほぼ同じ軌道で動かせる
  • 呼吸を止めずに行える
  • 関節に違和感がない
  • 使いたい筋肉の伸び縮みを感じられる
  • 疲れても大きく姿勢が崩れない
  • 運動後や翌日に、関節の痛みや強い違和感を残さない

これらが保てる範囲が、現在の自分に合ったフォームだと考えられます。

正しいフォームも、身体の変化に合わせて変わります

現在は動かしづらい範囲でも、運動を続けるうちに少しずつ動かせるようになることがあります。

反対に、疲労や体調によって、普段より動きにくい日もあります。

つまり、自分に合うフォームは、いつも固定されているとは限りません。

以前は問題なく行えた形でも、今日は違和感があるなら、重さや動かす範囲を変えます。

その日の身体を確認しながら、フォームも調整していきます。

「正しい形を一度覚えたら、いつも同じように行う」というよりも、身体の状態に合わせて微調整していく方が自然です。

すでに身体に痛みがある方へ

すでに肩や腰、膝、股関節などに痛みがある場合は、見本どおりのフォームを練習する前に、現在の身体の状態を確認することが大切です。

痛みがあるのは筋力が弱いからだと考え、負荷を増やせば、かえって身体へ負担がかかることがあります。

一方で、痛みがあるからすべての運動を避ける必要があるとも限りません。

どの範囲なら動かせるのか。

どの動きで違和感が出るのか。

先に身体の緊張をゆるめた方がよいのか。

それらを確認し、現在の状態に合った方法を選びます。

強い痛みや腫れ、急な筋力低下などがある場合は、無理にトレーニングを続けず、医療機関へご相談ください。

身体をフォームに合わせるのではなく、フォームを身体に合わせる

正しいフォームを学ぶことは大切です。

ただし、それは見本の人とまったく同じ形になることではありません。

骨の形や関節の動き、筋肉の付き方は人によって違います。

そのため、一人ひとり自然に行えるフォームも少しずつ異なります。

見本を参考にしながら、

痛みなく動かせること。

筋肉の伸び縮みを感じられること。

同じ動きを安定して繰り返せること。

運動後に違和感を残さないこと。

それらを確かめながら、自分の身体に合う動きを探していきます。

身体をフォームに合わせるのではなく、フォームを今の身体に合わせる。

見本どおりに動くことよりも、身体が無理なく動けていることを大切にします。

使いたい筋肉の伸び縮みを感じながら、自分に合う動きを少しずつ見つけていきましょう。

一人でフォームを調整することに不安がある方へ

太田市の整体院福粋では、運動が苦手な方や、筋トレをすると肩や腰、膝などに違和感が出る方に向けて、身体の状態に合わせた無理のないパーソナルトレーニングを行っています。

見本のフォームへ無理に身体を合わせるのではなく、関節の動きや身体の緊張、運動中の感覚を確認しながら、その方に合った方法を一緒に探します。

身体の状態に応じて、整体、トレーニング、または両方を組み合わせて行います。

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