※この記事は、一般的な情報と、院長自身のトレーニング経験をもとに書いています。オーバートレーニング症候群は、疲労や不眠など一つの症状だけで判断できるものではありません。強い疲労、運動能力の低下、痛み、睡眠の悪化などが長く続く場合は、トレーニングを中止または調整し、必要に応じて医療機関へご相談ください。
毎日筋トレするとオーバートレーニングになるのか|休む日数より身体の反応を見る
筋トレについて調べていると、
「同じ部位を毎日鍛えてはいけない」
「休まないとオーバートレーニングになる」
「トレーニングをやりすぎると、筋肉が発達しなくなる」
という情報を目にすることがあります。
僕も以前は、オーバートレーニングになることを強く警戒していました。
特に、僕がボディビル雑誌をよく読んでいた2000年前後は、オーバートレーニングについての記事を頻繁に見かけたように思います。
トレーニングをやりすぎると筋肉が発達しなくなる。
パンプしなくなる。
気力がなくなる。
夜に眠れなくなる。
そして、成長が止まる「プラトー」に陥る。
そのような説明を読み、
せっかく筋トレをしても、やりすぎたら全部無駄になってしまう
という印象を持っていました。
そのため当時の僕は、筋肉を鍛えることと同じくらい、休ませることを意識していました。
しかし現在の僕は、部位を分けながらではありますが、10カ月ほど毎日筋トレを続けています。
それでも、以前に想像していたようなオーバートレーニング状態にはなっていないと感じています。
この経験から、現在は、
何日連続で筋トレをしたかだけではなく、身体がその負荷から回復できているかを見ることが大切なのではないか
と考えています。
オーバートレーニングと、一時的な疲労は同じではありません
強い運動をした後に疲れたり、一時的に力が出にくくなったりすることはあります。
それだけで、すぐにオーバートレーニング症候群になったとは限りません。
トレーニングによる疲労には、休養を取ることで比較的短い期間に回復するものもあります。
一方、オーバートレーニング症候群は、トレーニングによる負荷と回復のバランスが長期間崩れ、休んでも運動能力の低下や疲労などがなかなか戻らない状態として考えられています。
一時的に疲れたことや、数日間調子が悪かったことだけで判断できるものではありません。
また、血液検査や一つの症状だけで確定できるものでもなく、運動能力の低下、疲労、睡眠、気分、栄養状態、病気や生活上のストレスなどを総合的に確認する必要があります。
つまり、
「毎日運動したからオーバートレーニング」
とも、
「パンプできているから絶対に大丈夫」
とも、簡単には決められないということです。
筋肉痛が治るまで、その部位を鍛えなかった頃
以前の僕は、
筋肉痛が出たら、痛みがなくなるまでその部位を鍛えない
と決めていました。
筋肉痛は筋肉を十分に刺激できた証拠であり、その筋肉が回復するまでは次のトレーニングをしない方がよいと考えていたからです。
例えば、上腕二頭筋に筋肉痛が出た場合は、3日ほど間を空けていたと思います。
そのため、同じ部位を連日鍛えないように、身体をいくつかのパートに分けていました。
詳しい曜日や組み合わせは忘れていますが、当時はおおむね、
- ● 胸と上腕三頭筋
- ● 背中と上腕二頭筋
- ● お尻、脚、腹筋
- ● 肩と背中
というように、日によって鍛える場所を変えていました。
週に6日ほど筋トレをしていても、同じ筋肉には数日の休養を与える方法です。
この分割法が悪かったわけではありません。
同じ部位へ強い負荷をかけた後に、回復する時間を取ることには意味があります。
ただ当時は、身体の反応を見て休んでいたというよりも、
休ませなければオーバートレーニングになり、筋肉が発達しなくなる
という恐れの方が強かったように思います。
高校時代に、身体を使いすぎていた感覚
高校時代にスポーツジムへ通っていた頃、今振り返ると、運動量が身体の回復を上回っていたように感じる時期がありました。
当時は、
- ● 水泳
- ● ランニング
- ● 筋力トレーニング
を行っていました。
僕は高校生になるまで泳げなかったため、泳げるようになりたいという気持ちが強く、水泳には特に熱を入れていました。
ほぼ毎日のようにスポーツジムへ通い、全身を使って運動していました。
ジムから帰ってくると、家でよく、
「疲れた~」
と口にしていたようです。
祖母から、
「そんなに疲れたと言うなら、ジムへ行くな」
と言われたことを覚えています。
当時の身体はかなり絞れていて、脂肪が少なく、腹筋が浮き出ていました。
見た目だけを見れば、よく鍛えられている身体だったと思います。
しかし、身体の内側には、だるさが残っていたのかもしれません。
夜に眠りにくいこともあったように思います。
ただし、当時の状態を今になってオーバートレーニング症候群だったと診断することはできません。
疲労や不眠には、運動以外にも、生活環境、精神的な緊張、食事、睡眠時間、体調など、さまざまなものが関係するからです。
それでも、
運動を終えるたびに強い疲労が残り、それを毎日のように繰り返していた
という点では、現在のトレーニングとは明らかな違いがあります。
現在は10カ月ほど毎日トレーニングしています
現在の僕は、最大限に近いパンプを一つの目標にして、10カ月ほど毎日筋トレを続けています。
通常は、福粋で30分以内ほど行っています。
現在のおおよその組み合わせは、
- ● 土曜日 胸・背中
- ● 日曜日 上腕二頭筋・上腕三頭筋・前腕
- ● 月曜日 肩
- ● 火曜日 上腕二頭筋・上腕三頭筋・前腕
- ● 水曜日 胸・背中
- ● 木曜日 肩
- ● 金曜日 上腕二頭筋・上腕三頭筋・前腕
という流れです。
金曜日だけは、福粋でのトレーニングに加えて、自宅の物置でも筋トレを行うことがあります。
隔週で、
- ● 上腕二頭筋と肩の前側を中心にする日
- ● 上腕三頭筋と肩の後ろ側を中心にする日
を交互に行っています。
自宅では腕、肩、背中、胸なども動かすため、金曜日は一日に二度トレーニングをするダブルスプリットになります。
表面上だけを見れば、
10カ月間、一日も休まず筋トレをしている
ことになります。
しかし、毎日同じ筋肉を、同じ強さで追い込んでいるわけではありません。
鍛える部位を変え、1回の時間を短くし、重い重量で筋肉痛になるまで壊すことを目的にしていません。
トレーニング頻度だけでは負担の大きさは決まらず、1週間の総量、強度、同じ部位に加わる負荷などを合わせて考える必要があります。
頻度を高くしても、1回当たりの量を分散している場合には、身体への負担の意味も変わります。
同じ「毎日」でも、身体への負担は違います
毎日筋トレをしていると聞くと、毎日身体を追い込んでいるように感じるかもしれません。
しかし、同じ「毎日」でも内容は大きく異なります。
例えば、
- ● 毎日全身を限界まで鍛える
- ● 同じ関節や筋肉を毎日強く追い込む
- ● 長時間の運動を繰り返す
- ● 部位を分けて短時間行う
- ● 軽めの負荷で身体を動かす
- ● その日の調子に合わせて量を減らす
これらを、すべて同じ負担として扱うことはできません。
僕の高校時代は、水泳、ランニング、筋トレによって、ほぼ毎日全身へ負荷をかけていました。
現在は毎日筋トレをしていますが、部位を分け、1回のトレーニングは短く、その日の身体に合わせて重量や回数を変えています。
そのため、
休養日がないことと、身体を休ませていないことは、必ずしも同じではない
と感じています。
ある筋肉を鍛えている間、別の筋肉は強い負荷を受けずに過ごしています。
また、身体全体を完全に動かさない日を作る代わりに、毎回の負荷を小さく分散しているとも考えられます。

何日続けたかだけではなく、運動後に身体がどのような状態になっているかを確かめます。
筋肉痛を作らないことも、続けられる理由です
現在のトレーニングでは、筋肉痛になることを目的にしていません。
狙った筋肉をパンプさせますが、重い重量で無理に追い込むことは少なくなりました。
毎回強い筋肉痛を作っていたら、現在の頻度では関節や筋肉に違和感が出たり、トレーニングを続けることが嫌になったりしていたかもしれません。
しかし現在は、筋肉を壊した感覚よりも、
- ● 狙った場所が膨らんだ
- ● 血液が集まったような温かさがある
- ● 身体を十分に動かせた
- ● 終わった後に気分がすっきりした
という感覚を目印にしています。
筋肉痛がほとんどなくても、平常時の筋肉が以前よりふっくらし、トレーニングで扱える動きや負荷も強くなっている実感があります。
そのため僕にとっては、
強い筋肉痛を作らず、身体が次の日にも動ける範囲で続けること
が、現在の頻度を保てている大きな理由だと思います。
パンプしていても、それだけで安全とは判断できません
僕はパンプする感覚を大切にしています。
ただし、パンプできているからオーバートレーニングではない、と判断できるわけではありません。
パンプは、狙った筋肉が使われていることや、その場所へ血液や水分が集まっていることを感じる一つの目印です。
一方で、オーバートレーニングの状態を、一つの感覚や検査だけで確定することはできません。
そのため、パンプ感だけではなく、身体全体の変化を見る必要があります。
下の記事でパンプの大切さについて書いています。
パンプする感覚を大切にしている理由|筋肉を痛めずに育てるために
回数よりも、身体から返ってくる反応を見る
僕が現在確認しているのは、休養日の日数だけではありません。
トレーニング中の反応
- ● いつもの重量や動きが急にできなくなっていないか
- ● 狙った筋肉に負荷が入っているか
- ● 関節に痛みや引っかかりがないか
- ● 無理に気持ちを奮い立たせていないか
トレーニング後の反応
- ● 心地よい疲れか、消耗し切った疲れか
- ● 気分がすっきりしているか
- ● 痛みや違和感が強く残っていないか
- ● 日常生活を普通に送れるか
数日から数週間の変化
- ● 扱える負荷や動きが長く低下していないか
- ● トレーニングをしたい気持ちが失われていないか
- ● 睡眠状態が悪くなっていないか
- ● 食欲や体調に大きな変化がないか
- ● 小さなけがを繰り返していないか
オーバートレーニングを考える時には、運動そのものだけでなく、仕事や家庭などの生活上の負担も含め、身体へ加わるストレスと回復のバランスを見ることが重要です。
筋トレの内容が変わっていなくても、睡眠不足や精神的な負担が重なれば、同じトレーニングを回復できなくなることもあると思います。
眠れないことだけで決めることはできません
オーバートレーニングの説明では、眠れなくなることが症状の一つとして挙げられる場合があります。
僕もしばらく前までは、夜になかなか眠れない時期がありました。
そのため、眠れないことだけを見れば、オーバートレーニング状態の一つとして当てはめることもできます。
しかし最近は、同じように毎日トレーニングを続けていても、以前より眠りやすくなっています。
トレーニング頻度は大きく変わっていないのに睡眠状態が変わったため、以前の不眠をすべて筋トレのせいにすることはできません。
日常生活での緊張、自律神経の働き、気温、精神的な状態、食事、カフェインなど、睡眠にはさまざまなものが影響します。
反対に、
「眠れるから、どれだけ筋トレをしても大丈夫」
とも言えません。
一つの症状だけに原因を決めず、身体全体と生活全体を見ることが大切です。
トレーニング後の気分は、身体からの返事の一つです
重量を追っていた頃の僕は、
「前回と同じ重量を上げなければならない」
「前よりも重いものを持たなければ弱くなってしまう」
と、数字に追われるような感覚がありました。
トレーニングが、自分に課したノルマのようになっていたのだと思います。
現在は、その日の身体に合わせて重量や回数を変えながら、パンプする感覚を目指しています。
そのため、トレーニングを終えた後は、ぐったりと消耗するよりも、気分がリフレッシュすることが多くなりました。
筋肉が張り、身体が温かくなり、頭の中まで切り替わるように感じます。
もちろん、トレーニング後に気分がよいというだけで、すべてが安全だと判断することはできません。
しかし、
毎回つらさを押し切って続けているのか、それとも終わった後に心身が整っているのか
という違いは、身体の状態を知る一つの手掛かりになると思います。
毎日筋トレすることを勧めているわけではありません
この記事は、すべての人に毎日の筋トレを勧めるものではありません。
初心者が、いきなり毎日トレーニングを始める必要もありません。
運動経験、年齢、仕事、睡眠、食事、体調、以前のけがなどによって、回復に必要な時間は変わります。
同じ人でも、生活の状態によって適切な負荷は変化します。
また、筋肉が大丈夫でも、腱や関節には少しずつ負担が蓄積していることがあります。
筋肉痛がないから、関節にも負担がないとは限りません。
次のような変化がある場合は、トレーニング内容を減らしたり、休養を入れたりする必要があります。
- ● 運動能力の低下が長く続く
- ● 日常的な強い疲労が取れない
- ● トレーニングへの意欲が大きく低下する
- ● 睡眠状態が悪化する
- ● 関節や筋肉の痛みが続く
- ● 体調を崩すことが増える
- ● 日常生活や仕事に支障が出る
強い疲労や能力低下が休んでも続く場合は、オーバートレーニングだけに原因を決めず、医療機関へ相談することも必要です。
休むか続けるかを、予定表だけで決めない
以前の僕は、
「筋肉痛が治るまで3日休む」
「同じ部位を連日鍛えない」
という予定を先に決めていました。
現在は、部位を分けた予定を持ちながらも、その日の身体を見て内容を変えています。
予定どおりの日であっても、関節に違和感があれば種目を変えます。
力が出ない時は、重量を軽くします。
狙った筋肉より別の場所に負担が集まる時は、動かす範囲を小さくします。
反対に、身体がよく動き、パンプも自然に起こる日は、その感覚を楽しみながら続けます。
大切なのは、
休養日を何日入れたかという数字だけではなく、今の身体が回復できる負荷になっているか
だと思います。
身体を壊すためではなく、よい状態へ戻すために動く
高校時代の僕は、運動を終えると「疲れた」と繰り返していました。
現在の僕は、毎日筋トレをしていますが、終わった後に気分がよくなることが増えました。
この違いは、休養日の日数だけでは説明できません。
何を行ったか。
どのくらいの強さで行ったか。
どれだけ長く行ったか。
身体の反応を無視していなかったか。
生活全体の負担から回復できていたか。
そうしたものが重なって、身体の状態が決まるのだと思います。
毎日筋トレすることが正しいのでも、必ず休養日を作ることだけが正しいのでもありません。
身体を消耗させる負荷を積み重ねているのか。
それとも、今の身体が受け入れられる負荷で動き、終わった後によい状態へ戻れているのか。
僕は現在、日数や数字だけではなく、身体から返ってくる反応を見ながらトレーニングをしています。
※トレーニングについて
オーバートレーニング症候群は、疲労や不眠など一つの症状だけでは判断できません。強い疲労、運動能力の低下、痛み、睡眠状態の悪化などが長く続く場合は、トレーニングを中止または調整し、必要に応じて医療機関へご相談ください。
福粋のパーソナルトレーニングでは、決められた回数や重量だけで判断せず、その日の身体の状態や、運動後に返ってくる反応を確認しながら進めていきます。
