パンプする感覚を大切にしている理由|筋肉を痛めずに育てるために

※この記事は、一般的な情報と、整体院福粋で身体を見てきた経験、院長自身のトレーニング経験をもとに書いています。痛みの種類や原因を、この記事だけで判断することはできません。強い痛み、腫れ、しびれ、力の入りにくさ、日常生活へ影響する症状などがある場合は、トレーニングを中止し、必要に応じて医療機関へご相談ください。

ここからは、僕自身がトレーニングを続ける中で感じてきた変化をお伝えします。

パンプする感覚を大切にしている理由|筋肉を痛めずに育てるために

筋トレをしていると、鍛えた筋肉が一時的に大きく膨らみ、張ってくることがあります。

一般的には「パンプする」「パンプアップする」と呼ばれる感覚です。

以前の僕は、パンプについて、

「筋トレをすれば勝手になるもの」

くらいに考えていました。

それよりも大切にしていたのは、翌日以降に起こる筋肉痛でした。

強い筋肉痛が出れば、それだけ筋肉に効いた。

筋肉痛がなければ、トレーニングが足りなかった。

そのように考えていた時期があります。

しかし、現在の僕は筋肉痛よりも、

「狙った筋肉がパンプしたか」

「その筋肉を、今の自分なりの最大パンプまで持っていけたか」

という感覚を大切にしています。

筋肉痛を起こすことを目的にしていません

僕は現在、脂肪を必要以上に増やさず、できるだけ筋肉を育てたいと考えてトレーニングをしています。

そのために目指しているのが、筋肉を強く傷めることではなく、狙った筋肉をしっかりパンプさせることです。

筋肉痛になるまで重い重量で追い込むのではなく、比較的扱いやすい重量を使いながら、狙った筋肉が少しずつ膨らんでいくように動かします。

回数は種目によって異なりますが、10回程度のこともあれば、30回、50回と続けることもあります。

大切なのは、数字だけではありません。

  • 今どこに力が入っているのか
  • 狙った筋肉が動いているのか
  • 関節に無理な負担がかかっていないか
  • 筋肉の張りがセットを重ねるごとに強くなっているか

その感覚を確かめながら行います。

軽めの重量を使う場合でも、筋肉に十分な負荷を加えることはできます。

反対に、最大筋力を伸ばすことが目的であれば、重い重量を扱うトレーニングにも意味があります。

すべての人にとって一つの方法だけが正しいのではなく、何を目指しているかによって方法は変わります。

僕の場合は、関節や身体をなるべく痛めず、筋肉に負荷を集める方法として、パンプする感覚を一つの目印にしています。

重量のノルマから離れて、気持ちも軽くなりました

以前の僕は、扱う重量を伸ばすことを強く意識して筋トレをしていました。

前回持ち上げられた重量があると、次のトレーニングでも、同じ重量か、それ以上を持ち上げなければならないように感じていました。

「この重量を上げられなければ、前より弱くなってしまう」

そのような気持ちがあり、トレーニングが少しずつノルマのようになっていたのだと思います。

睡眠が足りない日もあります。

身体が疲れている日や、仕事や日常生活の影響で力が出にくい日もあります。

それでも前回と同じ重量を持たなければならないと思うと、その日の身体の状態よりも、数字を優先してしまいます。

重量を落とした時には、身体に合わせて調整できたというよりも、弱くなったような気持ちになることもありました。

現在のパンプを重視したトレーニングでは、その日の身体に合わせて重量や回数、動かす範囲を変えています。

前回より軽い重量でも、狙った筋肉がしっかり膨らみ、十分に使えた感覚があれば、それでよいと考えています。

重さを更新できたかどうかではなく、

「今日の身体で、どれだけ丁寧に筋肉を使えたか」

を見られるようになりました。

そのため、パンプ重視のトレーニングを終えた後は、疲れ切っているというよりも、毎回気分がリフレッシュされる感覚があります。

筋肉が膨らみ、身体の中を血液が巡ったような温かさを感じると、身体だけではなく、頭の中まで切り替わるように感じます。

トレーニングを終えた時に、

「今日も前回を超えなければならなかった」

ではなく、

「今日の身体をしっかり使えた」

と思えるようになったことは、僕にとって大きな変化でした。

毎日トレーニングすることより、回復できない負荷を重ねないこと

以前の僕は、オーバートレーニングになることも強く警戒していました。

特に2000年前後にボディビル雑誌を読んでいた頃は、トレーニングをやりすぎると筋肉が発達しなくなり、パンプ感や気力がなくなり、眠れなくなることがあるという情報をよく目にしました。

そのため当時は、筋肉痛が治るまで同じ部位をトレーニングしないようにしていました。

現在の僕は、部位を分けながらではありますが、10カ月ほど毎日筋トレを続けています。

それでも、以前に感じていたような強い疲労感や、トレーニングへの意欲が失われる状態にはなっていません。

だからといって、誰でも毎日筋トレをした方がよいという意味ではありません。

同じ「毎日」でも、扱う重量、セット数、追い込み方、トレーニング時間、同じ部位へ負荷をかける頻度によって、身体への影響は変わります。

僕の場合は、筋肉痛になるほど強く壊すことを繰り返すのではなく、その日の身体で無理なくパンプできる範囲を探しています。

そして、回数だけではなく、

  • 前より力が出なくなっていないか
  • トレーニングをしたい気持ちが残っているか
  • 関節や筋肉に違和感が続いていないか
  • 睡眠や日常生活へ悪い影響が出ていないか
  • 終わった後に気分が整っているか

といった身体全体の反応を見るようになりました。

毎日行うこと自体が問題なのではなく、身体が回復できない負荷を、反応を無視して積み重ねることに注意が必要なのだと思います。

現在の僕にとって筋トレは、身体を消耗させるものというよりも、無理のない負荷で筋肉を動かし、終わった後に心身を整える時間になっています。

腕の筋力トレーニング後にパンプした筋肉の状態を確認する男性

重さの数字よりも、今日の身体にどのような反応が起きているかを確かめます。

パンプしている時、筋肉では何が起こっているのか

筋肉を繰り返し収縮させると、働いている筋肉への血流が増えます。

さらに、筋肉内には水分や運動によって生じた物質が集まり、一時的に筋肉が膨らみます。

これが、パンプの一部だと考えられています。

パンプした筋肉に触れると、普段よりも弾力が増し、ふっくらと膨らんでいます。

皮膚の表面が温かく感じられることもあります。

僕の場合、上腕二頭筋を鍛えると、腕の前側が膨らみ、皮膚が内側から押されているような張りを感じます。

その状態は、強く感じやすい時間だけでいえば、5分から10分ほどです。

ただし、パンプはそのまま残り続けるものではありません。

時間が経ち、血液や水分の分布が変われば、筋肉の張りも少しずつ落ち着いていきます。

鍛える場所が変わると、パンプする場所も変わります

僕は腕のトレーニングでは、上腕二頭筋を4種目ほど行い、1種目につき2~3セット行うことがあります。

上腕二頭筋が十分に膨らんだところで、次は腕の裏側にある上腕三頭筋を鍛えます。

すると、上腕三頭筋がパンプしていく一方で、先ほどまで強く張っていた上腕二頭筋のパンプ感は、少し控えめになってきます。

さらに前腕を鍛えると、今度は前腕がパンパンに膨らみ、上腕の張りは少しずつ弱くなっていきます。

上腕から前腕まで行っても、トレーニング時間は30分かからないくらいです。

最後に鍛えた前腕は、トレーニング後も10分を超えて張りが残っていることがあります。

それも、気がつくと自然に落ち着いています。

この変化を観察していると、パンプは筋肉そのものが急に増えた状態ではなく、働いている場所に一時的に血液や水分が集まった状態なのだと感じます。

パンプは筋肥大そのものではありません

ここで気をつけたいのは、

「パンプしたから、必ず筋肉が大きくなる」

とは限らないことです。

パンプによって筋肉が一時的に膨らむことと、数週間、数カ月をかけて筋肉が育っていくことは、同じ現象ではありません。

筋肥大には、筋肉に加わる負荷、トレーニング量、食事、睡眠、休養など、さまざまな要素が関係します。

そのため、パンプだけを追いかけていれば必ず筋肉が育つ、とまでは言えません。

僕はパンプを「筋肥大が約束された証拠」とは考えていません。

それよりも、

  • 狙った筋肉に負荷が届いているか
  • 筋肉を繰り返し収縮させられているか
  • 関節ではなく、筋肉を使えているか
  • その日の身体に無理をさせていないか

を確かめるための、身体からの返事として捉えています。

追い込んでもパンプしなかった上腕三頭筋

パンプを意識し始めた頃、僕の身体にはパンプしやすい筋肉と、パンプしにくい筋肉がありました。

上腕二頭筋は、もともと比較的パンプしやすい部位でした。

ところが、腕の裏側にある上腕三頭筋は、種目を続けて疲労困憊まで追い込んでも、あまり大きく膨らみませんでした。

肘の近くばかりが熱くなり、肘と肩の間にある上腕三頭筋全体には、うまく負荷が広がっていないように感じていました。

そこで、重量や回数、腕の角度、動かす範囲、力を入れる方向などを少しずつ変えました。

見本どおりのフォームに身体を当てはめるのではなく、

「どう動けば、自分の上腕三頭筋が働くのか」

を調べるようにトレーニングしてきました。

その結果、現在では上腕三頭筋全体がはっきりと膨らみ、最大限に近い張りを感じられるようになっています。

この10カ月間で、筋肉そのものが強くなっただけでなく、狙った筋肉を使う技術も少しずつ高まったのだと思います。

「パンプしやすい身体」に変わってきた感覚

パンプを意識してトレーニングを始めた10カ月前と比べると、現在は全体的に筋肉がパンプしやすくなったと感じています。

僕はこれを、自分の中で「パンプ体質になってきた」と表現しています。

これは医学的な体質名ではなく、僕自身の感覚を表した言葉です。

  • 筋肉が繰り返される負荷に慣れたこと
  • 狙った筋肉を収縮させるのが上手になったこと
  • 筋肉内に蓄えられる水分やエネルギーの状態が変わったこと
  • 運動に対して血流を調節する働きが適応してきたこと

こうした複数の変化が重なって、以前よりパンプを感じやすくなった可能性があります。

「よく使われる場所だから、この部分へ血液を届けやすくしよう」

と身体が変化してくれたのではないか。

僕はそのようにも想像しています。

運動を繰り返すことで、筋肉や血流を調節する働きには少しずつ適応が起こります。

ただし、特定の部位に新しい血管が増えたかどうかを、パンプの感覚だけから判断することはできません。

その部分は、現在のところ僕自身の身体に対する仮説です。

それでも、10カ月間ほとんど身体を痛めることなく、以前よりも筋肉が強く、平常時にもふっくらしてきた実感があります。

トレーニング中に違和感が出ることはありますが、多くは数日から1週間ほどで落ち着いています。

無理をして壊し続けるよりも、身体が受け入れられる負荷を繰り返したことが、現在の変化につながっているのかもしれません。

水分や食事もパンプに関係します

筋肉がパンプするためには、身体の水分状態も無関係ではありません。

また、筋肉に蓄えられるグリコーゲンは水分と一緒に保持されるため、炭水化物を極端に減らしている時と、十分に摂れている時とでは、筋肉の張り方が違うと感じる人もいます。

僕自身も、水分、炭水化物、自然塩などが不足している時より、身体の水分状態が保たれている時の方がパンプしやすいと感じています。

ただし、水分や塩分、炭水化物の必要量は、発汗量、運動量、体格、体調などによって異なります。

パンプさせるために、水分や塩分を無理に大量摂取する必要はありません。

パンプは、身体全体の状態を無視して追い求めるものではなく、その日の体調や食事、睡眠状態を映す一つの感覚として見ることが大切だと思います。

循環を促したい部位を動かすという考え方

パンプは筋肥大だけでなく、身体の循環を考える上でも興味深い現象です。

筋肉は、収縮と弛緩を繰り返すことで、その周辺の血液の流れに影響を与えます。

そのため、無理のない範囲で筋肉を動かすことは、その部位へ血液を届ける刺激になります。

僕は、

「血液が届きにくいと感じる場所を、無理なく動かしてパンプさせる」

という考え方にも可能性を感じています。

ただし、痛みや炎症、けががある場所を、無理にパンプさせればよいわけではありません。

しびれや鋭い痛み、関節の痛み、力が抜ける感覚などがある場合は、筋肉を追い込む前に状態を確認する必要があります。

パンプを目指すのは、あくまでも筋肉が安全に動かせる範囲の中です。

整体と筋トレに共通する「循環」

整体では、身体に残っている過剰な緊張をゆるめていきます。

筋肉が緊張し続けている場所があると、呼吸や血液の流れも滞りやすくなります。

その緊張がほどけることで、その人の身体が本来持っている循環や回復の働きが戻りやすくなります。

一方、筋トレでは、筋肉を収縮させることで、その場所に血液が集まります。

整体は、必要のない緊張をゆるめる方向。

筋トレは、必要な筋肉を働かせる方向。

方法は異なりますが、どちらにも、

「その場所の循環が変わる」

という共通点があります。

ゆるめるだけでもなく、鍛えるだけでもありません。

必要のない緊張はほどき、必要な筋肉は無理のない範囲で働かせる。

その両方が組み合わさり、身体は少しずつ動きやすく、回復しやすい状態へ変わっていくのではないかと思っています。

パンプは、身体との対話の一つです

僕にとってパンプは、見た目を一時的に大きくするためだけのものではありません。

  • 今、どの筋肉が働いているのか
  • どこに負荷が届いているのか
  • 重さを関節で受けていないか
  • 身体に無理をさせず、狙った筋肉を十分に使えているか

それを確かめるための感覚です。

筋肉痛がなくても、筋トレが無駄とは限りません。

重い重量を持てなくても、筋肉が育たないとは限りません。

見本どおりのフォームで動けなくても、自分の身体に合った動かし方が見つかることがあります。

そして、パンプしなかった筋肉も、身体を観察しながら試行錯誤を重ねることで、少しずつ使えるようになる可能性があります。

前回の重量を超えることに追われるのではなく、その日の身体に起きている変化を感じる。

筋肉を壊した証拠を探すのではなく、身体から返ってくる反応を観察する。

パンプする感覚は、そのための一つの目印になると僕は考えています。

※トレーニングについて
パンプは筋肉への刺激を確認する一つの目安ですが、パンプの強さだけで筋肥大やトレーニング効果を判断することはできません。痛み、しびれ、関節の違和感、強い腫れなどがある場合は、無理にトレーニングを続けないでください。

福粋のパーソナルトレーニングでは、決められた重量や見本の動きに身体を合わせるのではなく、その日の状態や身体から返ってくる反応を確認しながら進めていきます。

整体師と始める無理のないパーソナルトレーニングについてはこちら