怒りは敵ではなく、“胸をひらく鍵”だった
― 院長メッセージ・静けさシリーズ ―
最近、「すぐイラッとしてしまう自分が嫌だな…」と感じることはありませんか?
僕自身も長いあいだ、怒りは「なくすべきもの」「抑えるべきもの」だと思っていました。
ある日の通勤中、少しゆっくり走る車が続き、
ドラッグストアでも、人の動きに何度かイラッとしました。
そのたびに心の中で小さな怒りが積み重なっていくのを感じました。
福粋に着いてから、ふと気づきました。
「このイライラに振り回されるのではなく、
怒りそのものを感じてみよう」と。
目を閉じて、胸の前に意識を向けました。
そして、心の中でそっとつぶやきました。
「怒ってもいいよ」「怒りを責めなくていいよ」と。
すると、不思議なことが起こりました。
胸の前に、薄い桃色の光がふわっと広がるイメージが浮かんだのです。
そこには、幼い頃の自分が、少し不安そうな顔で立っていました。
僕はその子に、心の中で声をかけました。
「ここにいてくれて、ありがとう」
「そのままの君で、いいんだよ」と。
その瞬間、さっきまでの“イライラの重さ”が、
静かなあたたかさに変わっていきました。
目を閉じているのに、まるで玄関からやさしい光が差し込んでくるような、
そんな心地よさが胸のあたりに広がっていきました。
あのとき気づいたのは、
怒りは、敵ではなく「胸をひらく鍵」だった
ということです。
怒りを「無くそう」「押さえ込もう」とすると、
本当の気持ちはますます奥に引っ込んでしまいます。
でも「怒っている自分もいていい」と認めてあげると、
その奥に隠れていた幼い自分の声が、ふっと表に出てきてくれます。
怒りを感じたとき、
その感情の奥には、どんな「本当の気持ち」が隠れているでしょうか。
わかってほしかった寂しさ、
がんばってきた自分へのねぎらい、
「本当はこうしたかった」という静かな願い…。
もし、最近イラッとすることが多かったら、
それはあなたの胸の奥からの「ノック」かもしれません。
怒りを消そうとする代わりに、そっと手をあててみてください。
「怒っている私も、ここにいていい」
そうやって自分を迎え入れるとき、
胸の奥にある光が、少しずつひらいていきます。
怒りは、敵ではありません。
あなたの胸をひらき直すために現れてくれた、
小さな“鍵”なのかもしれません。
整体院 福粋 坂本あんらく
