逆立つ心が、ひらく場所で

逆立つ心が、ひらく場所で

― 院長メッセージ・静けさシリーズ ―

 

逆立つ心が、ひらく場所で|静けさシリーズ 整体院福粋

 

午前の光が傾きはじめた頃、
福粋の施術室に、二つの物語が流れ込んできました。

ひとつは、長い間、家族を案じ続けてきた女性の胸の物語。
もうひとつは、かつて夜の厨房で、誰にも言えない痛みを抱えた女性の、沈黙の物語。

静かな午後――
その二つの心が、順番にベッドの上でほどけていきました。

 

🌱 第一章 胸の奥に、光が戻るとき(AMさん)

「息子が、動けなくなってしまって…」
いつも穏やかなAMさんが、ほんの少しだけ声を落として話し始めました。

家事に無理解なご主人。
心を閉ざす息子さん。
長く背負い続けた「母としての責任」。

その重さは、胸の中央で
長く固まっていたように感じられました。

施術中、第3チャクラと第4チャクラに
そっと光を集めていくと、
ふっと胸が温かくなる瞬間がありました。

「脚が良くなってきたんです」
「歩くのが楽になってきました」

その言葉は、体だけでなく心にも、
“スペースが戻った”証のようでした。

胸の奥で、長い間しぼんでいた火が、
そっと赤みを取り戻していくのを感じました。

 

🦔 第二章 ハリネズミのトゲが、ゆっくり眠る場所で(YTさん)

YTさんは、序盤ずっと静かでした。

“ここは大丈夫だろうか?”
“この沈黙のまま施術が終わるのだろうか?”

そんな空気が少し漂っていました。

中盤にさしかかった時、ぽつりと落ちた一言。
「昔ね、元旦那が……」

そこから少しずつ語られたのは、
夜、子どもたちが眠ったあとに訪れた暴力の記憶。

何もしていなくても、ふいに殴られた夜。
鍋で頭を打たれ、
「何が起きたのかわからなかった」という衝撃。

その話は、僕自身の子どもの頃の記憶に
静かに触れてきました。

――祖母が語っていた、おじいさんの怒り。
――瞬間湯沸かし器のように怒鳴る声。
――当時の“当たり前”にしていた恐怖。

二つの時代の物語が、
福粋の静けさの中で
そっと重なり合う時間でした。

YTさんは言いました。
「ハリネズミみたいだったのよ、あの頃の私は」

その言葉が落ちた瞬間、
内側から立ち並ぶ無数のトゲが
ゆっくり横たわっていくイメージを送りました。

第2チャクラ、
第3チャクラ、
第4チャクラ、
そして第5チャクラへと光が通るたびに、

“消えかかっていた火”が
小さく、しかし確かに戻っていくのが伝わってきました。

施術後、痛みは少し残っていたけれど、
それは体の痛みだけではなく、
長い記憶の余韻でもあるのかもしれません。

「少しずつ良くなりますよ」

その言葉は、YTさん自身に向けた
静かな許しのようにも感じられました。

 

🌕 終章 静けさは、ふたりを迎え入れる

施術が終わり、待合でAMさんがLINE登録をしていると、
YTさんも隣に座り、一緒に登録を始めました。

その時、新しい福粋のトップ画像が、
ふたりのスマホにふわっと現れました。

――静けさの中で、火が守られる場所。
――心の奥のトゲが眠っていく場所。
――胸の奥に光が戻る場所。

その画面を見た瞬間、
これは偶然じゃないかもしれない、と感じました。

まるで、ハイヤーセルフが
お二人に「新しい入り口」を
そっと見せたような時間でした。

お二人が帰ったあと、
僕の頭の奥に少し眠気のような
ぼんやり感が残っていたのは、
深い物語を受け取った証。

それだけ“今日の施術が深かった”ということです。

福粋は、過去の痛みをそっと置いていける
静けさの場所になっていました。

今日もまた、ひとつの火が
静かに守られていました。

 

AMさん・YTさんの前回施術の様子:静けさ中心レッスン|時空を越えてつながった一日