身長を伸ばすには?成長期に大切なことと、身長より先に伝えたいこと

身長を伸ばすには?成長期に大切なことと、身長より先に伝えたいこと

このページで伝えたいこと

身長を伸ばしたいと思うことは、悪いことではありません。ただし、身長を伸ばしたいという願いと、自分の価値を身長で決めることは別です。成長期の身体に大切な生活習慣とともに、かつて身長に強くこだわっていた私自身の経験をお伝えします。

身長が伸びる成長期のイメージ

私は高校生の頃から20代前半まで、身長の高さに強くこだわっていました。

当時は、

「185センチなければ僕ではない」

と思っていたほどです。

身長を伸ばしたくて、カルシウムを多く摂ろうとしたこともありました。

19歳頃には、骨はカルシウムだけでできているのではなく、土台となるたんぱく質も必要なのだと知り、食事や身体のことをいろいろと調べるようになりました。

今振り返ると、私はただ背が高くなりたかっただけではなかったのだと思います。

背が高くなれば、自分に自信を持てる。

背が高くなれば、自分を認められる。

背が高くなれば、今とは違う自分になれる。

身長という数字の先に、そのようなものを求めていたのかもしれません。

この記事では、成長期に身体を育てるために大切だと考えられている食事、睡眠、運動などについてお伝えします。

ただ、その前に、かつて身長に強くこだわっていた私から、身長を伸ばしたいと思っている方へ伝えたいことがあります。

かつての自分を思い出させた中学生の男の子

数年前、中学生の男の子がお母さんと一緒に福粋へ来たことがありました。

腰か脚の不調で来院したのですが、身体を確認すると、足首にも痛めている様子がありました。

話を聞いている途中、その男の子が身長について、ぽろっとある言葉を口にしました。

正確な言葉は覚えていません。

ただ、

「これくらいの身長になれなければ、自分ではない」

という意味に近い言葉だったと思います。

その言葉を聞いた瞬間、私はハッとしました。

高校生の頃の自分と、目の前にいる男の子が重なったからです。

その子が本当はどのような思いを抱えていたのか、私には分かりません。

けれども、かつての私と同じように、身長の数字に自分の価値を預けようとしているように感じました。

私はその子に、食事や睡眠など、身長を伸ばすうえで必要だと当時考えていたことを伝えました。

痛めていた身体への整体も行いました。

その時の私は、その子の身長を伸ばすために、できることを何か渡したかったのだと思います。

けれども今は、もう一つ伝えたいことがあります。

身長を伸ばしたいと思うことと、
今の自分を否定することは別です。

身長は何によって決まるのでしょうか

身長には、遺伝的な要素が大きく関わっています。

ただし、遺伝だけですべてが決まるわけではなく、成長期の栄養状態、睡眠、病気の有無、ホルモンの働きなど、さまざまな要素が関係します。

一人ひとり、思春期が始まる時期も、身長が大きく伸びる時期も違います。

周りの同級生より今は小さくても、成長の時期が遅れているだけという場合もあります。

反対に、一時的に大きく伸びていても、思春期が早く進んでいるために、早い時期に身長の伸びがゆるやかになることもあります。

そのため、今の身長だけを見て、

「もう伸びない」

「このままではいけない」

と決めつける必要はありません。

まずは成長曲線で「伸び方」を見てみる

身長が気になる時に、最初に確認したいのは、現在の身長だけではありません。

これまで、どのようなペースで伸びてきたかです。

母子手帳や学校の身体測定の記録を使い、成長曲線に身長を記入すると、その子なりの成長の流れが見えやすくなります。

親御さんの身長や周囲の子との比較だけで判断するのではなく、本人の過去から現在までの変化を見ることが大切です。

成長曲線の基準範囲から大きく外れている場合や、それまでの成長の流れから外れて、以前より明らかに伸び方が鈍くなっている場合には、小児科へ相談することも大切です。

身長を伸ばすために「これだけをすればよい」という方法はありません

私自身、身長を伸ばしたかった頃には、

「カルシウムをたくさん摂れば伸びるのではないか」

「この食べ物を食べればよいのではないか」

と考えていました。

けれども、身体は一つの栄養素だけで作られているわけではありません。

また、特定の運動や整体をすれば、誰でも希望する身長まで伸びるというものでもありません。

成長期の身体に必要なのは、何か一つの特別な方法よりも、身体が育つための土台を大きく崩さないことだと思います。

ここからは、その土台について考えていきます。

成長期に大切にしたい食事

成長期の身体を支える食事

骨というとカルシウムを思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん、カルシウムは骨に必要な栄養素です。

ただし、骨や筋肉、皮膚、血液など、成長する身体を作るためには、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養が必要です。

そのため、

「身長を伸ばすために牛乳だけをたくさん飲む」

「たんぱく質だけを多く摂る」

といった食べ方ではなく、主食、主菜、副菜を中心に、偏りを少なくすることが基本になります。

また、成長期には活動するためのエネルギーも必要です。

スポーツをしている子が、体重を増やしたくないという理由で食事量を極端に減らすと、身体を育てるために使える栄養やエネルギーまで不足してしまうことがあります。

だからといって、親がよいと思う食べ物を一方的に食べさせ続ければよいわけでもありません。

本人の食欲や体調、好き嫌いにも目を向けながら、さまざまな食べ物を経験できる環境を作っていくことが大切だと思います。

「これを食べれば健康になる」という親のお節介

私は、もし自分に息子ができたら、身長が伸びるように育てることができるのではないか、と考えることがあります。

食事を整えて、早く寝かせて、適度に身体を動かし、疲労や痛みを残さないようにする。

自分がこれまで調べ、身体を見てきた経験を使えば、何かできるような気がします。

けれども、そこには親側の思い込みも入り込みます。

仮にその子の身長がとても高くなったとして、その子自身が、

「こんなに高い身長は望んでいなかった」

と思う可能性もあります。

身長が高ければ、必ず本人が幸せになるとは限りません。

私は母から、

「これを食べれば健康になる」

という善意を、頻繁に向けられることがあります。

母は私の健康を思ってしているのだと思います。

しかし、受け取る私の側では、げんなりすることもあります。

親が子どものためによいと思うことと、子どもが望んでいることは、同じとは限りません。

身長を伸ばしてあげたいという思いも、強くなり過ぎれば、

  • もっと食べなさい
  • 早く寝なさい
  • その運動はやめなさい
  • これを飲みなさい

と、子どもの身体を親が管理する形になってしまいます。

子どもの身体は、親の理想を実現するための作品ではありません。

親ができるのは、本人の身体が育ちやすい生活を用意しながら、その身体がどのように成長していくかを見守ることなのかもしれません。

睡眠は身体が休み、育つための時間

眠って身体を休めている子ども

「寝る子は育つ」と昔から言われています。

睡眠には、日中に使った心身を休ませるだけではなく、子どもの脳や身体の成長を支える役割があります。

身長だけを目的にするのではなく、日中を元気に過ごし、心身を回復させるためにも、年齢に合った睡眠時間を確保することが大切です。

ただし、子どもを早く寝かせようとして、

「早く寝ないと身長が伸びないよ」

と不安を与え続ければ、眠ること自体が緊張につながるかもしれません。

睡眠時間だけを管理するよりも、

  • 夜遅くまで強い光を浴び続けない
  • 朝はできるだけ決まった時間に起きる
  • 日中に身体を動かす
  • 安心して眠れる環境を作る

といった、生活全体を整える視点が必要です。

私自身は20歳頃から夜勤のある仕事に就きました。

同時に、社会と自分との不一致も強く感じるようになり、身長を伸ばすことを考えるどころではなくなっていったと思います。

夜勤をしたから身長が伸びなかった、と言いたいわけではありません。

ただ、身体が育つには、栄養や睡眠時間だけではなく、生活にある程度の余裕があることも大切なのではないかと、自分の経験から感じています。

運動をすると身長が伸びるのでしょうか

適度な運動は、骨や筋肉を健康に育て、食欲や睡眠にもよい影響を与えると考えられます。

走る、跳ぶ、泳ぐ、遊ぶなど、さまざまな動きを経験することは、成長期の身体にとって大切です。

ただし、

「この運動をすれば身長が伸びる」

と断定できるものではありません。

バスケットボールやバレーボールをすると背が高くなると言われることがありますが、もともと身長の高い人が競技を続けやすいという側面もあります。

反対に、

「筋トレをすると身長が止まる」

とも一律には言えません。

運動の種類そのものよりも、次のような状態には注意が必要です。

  • 痛みを我慢して続ける
  • 同じ部位に負担をかけ続ける
  • 回復する前に強い練習を繰り返す
  • 食事や睡眠が不足したまま運動する
  • 自分では扱えない重量を無理に持つ

運動は、身長を伸ばすための義務ではありません。

本人が楽しみながら、身体の感覚を失わずに続けられることが大切です。

成長期のけがや痛みを放置しない

中学生の男の子を見た時、私は、

「けがをしている部分があると、回復に力を取られて骨が伸びにくくなる」

という意味のことを伝えたと思います。

現在の私が同じ場面で伝えるなら、少し言い方を変えます。

一般的な捻挫をしただけで、身体全体の身長が伸びなくなるとは言えません。

ただ、成長期の骨には、骨が長くなるための成長軟骨、いわゆる骨端線があります。

成長期の骨端線と成人の骨の違い

成長期のけがでは、大人なら捻挫と思われるような外力でも、骨端線を傷めている場合があります。

骨端線の損傷は、その骨の成長に影響することがあるため、注意が必要です。

次のような場合には、「成長痛だろう」「ただの捻挫だろう」と決めつけず、整形外科へ相談してください。

  • 腫れや強い痛みがある
  • 体重をかけられない
  • 歩き方が変わっている
  • 数日休んでも痛みが改善しない
  • 同じ場所を繰り返し痛がる
  • 関節が動かしにくい
  • 左右の手足の形や長さに違いが出てきた

整体だけで判断せず、必要な検査を受けることが大切です。

坂本が考える「身体が伸びるのを邪魔しない生活」

ここからは、医学的に身長を伸ばす方法として証明されている話ではなく、私がこれまで身体を見てきた中で考えていることです。

成長する身体には、栄養や睡眠だけでなく、

  • 身体に強い痛みがないこと
  • 疲れを翌日まで持ち越し過ぎないこと
  • 安心して休めること
  • 心地よく動けること
  • 食べたものを消化し、吸収できること
  • 常に緊張し続けなくてよいこと

も大切なのではないかと考えています。

身体には、使った場所を回復させ、傷ついた場所を修復し、日々の働きを維持する力があります。

そのうえで、成長期には身体そのものを大きく育てる働きも行われています。

そのため私は、痛みや強い疲労を抱えたまま無理を続けるよりも、身体が回復できる余白を残すことが、結果として成長する身体を支えるのではないかと考えています。

ただし、これを、

「疲れたら身長が伸びない」

「親が厳しいと身長が止まる」

という単純な話にしたいわけではありません。

人の身体は、そのように一つの原因だけで決まるものではないからです。

身体の負担をすべてなくす必要もありません。

学校生活、勉強、部活動、人間関係の中では、疲れたり悩んだりすることもあります。

大切なのは、負担があることを責めるのではなく、負担を抱えた身体が休み、戻ってこられる時間を作ることだと思います。

身長のことで医療機関へ相談した方がよい場合

身長が低いこと自体は、病気とは限りません。

家族全体が小柄であったり、思春期の始まりが遅かったりすることで、周囲より小さく見えることもあります。

一方で、成長ホルモンの不足、甲状腺の病気、染色体や骨の病気、慢性的な内臓疾患などが、身長の伸びに影響することもあります。

次のような場合には、小児科、できれば小児内分泌を扱う医療機関へ相談することをお勧めします。

  • 成長曲線で身長が基準を大きく下回っている
  • 以前は伸びていたのに、途中から伸び方が鈍くなった
  • 1年間の身長の伸びが以前より明らかに少ない
  • 体重も増えていない、または減っている
  • 思春期の変化が極端に早い、または遅い
  • 頭痛、視力の変化、強い疲労など、ほかの症状もある
  • 本人や家族が身長のことで強く悩んでいる

成長ホルモン治療は、希望すれば誰でも受けられるものではありません。

検査によって治療の対象となる病気が確認され、骨端線が閉じていないことなど、一定の条件が必要です。

身長が気になる時は、インターネット上のサプリメントや「必ず伸びる」という方法に頼る前に、まず成長の記録を医師に見てもらうことが大切です。

身長を伸ばしたい気持ちを否定しなくていい

私は、身長を伸ばしたいと思う気持ちまで否定する必要はないと思っています。

スポーツで活躍したい。

服を格好よく着たい。

モデルのような体型になりたい。

好きな人の前で自信を持ちたい。

周りから大人っぽく見られたい。

そのように願うことは、自然なことです。

「身長なんて気にするな」

と言われても、本人にとって大切な悩みなら、簡単には手放せません。

かつての私も、そうだったと思います。

だから、身長を伸ばしたいと考えている人に、

「そんなことを気にしてはいけない」

とは言いたくありません。

食事を整え、睡眠を取り、運動し、身体を大切にしながら、自分の可能性を試してみてもよいと思います。

ただし、その挑戦に一つだけ条件をつけるとすれば、

今の自分を嫌うために行わないことです。

「185センチなければ僕ではない」と思っていた自分へ

整体院福粋の坂本

高校生の頃の私は、

「185センチなければ僕ではない」

と思っていました。

今の私が当時の自分に会えるなら、身長を伸ばす方法を教える前に、こう伝えると思います。

身長を伸ばしたいと思っていい。

できることを調べてもいい。

食事や睡眠を整えてもいい。

けれども、185センチにならなければ、お前ではないということはない。

今の身長のお前も、すでにお前だ。

身長が伸びた後から、自分の価値が生まれるわけではない。

今の自分を否定しなくても、成長することはできる。

当時の私がその言葉を聞くことができていたら、少し生きるのが楽になっていたかもしれません。

親御さんに伝えたいこと

子どもが身長を気にしていたら、親としては何かしてあげたくなると思います。

栄養のあるものを食べさせたい。

早く寝かせたい。

運動させたい。

よい病院や方法を探してあげたい。

その気持ちは、子どもを思う気持ちから生まれるものです。

ただ、身長を伸ばすことが親子共通の大きな目標になり過ぎると、子どもは、

「伸びなければ親をがっかりさせる」

「今の自分では足りない」

と感じるかもしれません。

親御さんにできる最も大切なことは、子どもの身長を望む数字に近づけることではなく、

どのような身長になっても、
あなたはあなたで大丈夫だと伝えること

なのかもしれません。

その安心の上に、食事、睡眠、運動、医療など、必要な支えを置いていけばよいのだと思います。

福粋でできること

整体によって、骨端線を伸ばしたり、希望する身長まで成長させたりできるとは言えません。

また、身長の伸びに病気やホルモンの働きが関係している場合、整体で対応するものではありません。

そのような可能性がある時には、小児科や整形外科への受診が優先されます。

一方で、

  • スポーツによる身体の痛みがある
  • 筋肉の緊張が強く、身体を動かしにくい
  • 疲労が抜けにくい
  • 痛みのために眠りにくい
  • 身体の不調を抱えながら練習を続けている

といった場合には、身体を楽に動かせる状態へ整えることで、成長期の生活を支えるお手伝いができることがあります。

身長を伸ばすことを約束する整体ではありません。

その子の身体を、親や施術者の理想へ変えるのでもありません。

今ある身体の声を確認しながら、その子に残されている成長の可能性を、できるだけ邪魔しない方向を一緒に探していきます。

まとめ

身長を伸ばすために大切なのは、特定の食品や運動だけではありません。

成長曲線を確認しながら、偏りの少ない食事、十分な睡眠、無理のない運動を続け、痛みや体調不良を放置しないことが基本になります。

伸び方に気になる変化がある場合には、早めに小児科へ相談してください。

そして、もう一つ忘れないでほしいことがあります。

身長を伸ばしたいと思うことと、
自分の価値を身長で決めることは別です。

何センチになっても、その人はその人です。

今の身体を否定することなく、身体に残されている成長の可能性を、焦らず支えていけばよいのだと思います。


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