生理が予定通りに来ない場合や通常よりも早く出血がある場合、「生理不順では?」と心配になる方が多いかもしれません。
また、心配するほどではなくても、生理の期間や経血量などについて気になる方もいるでしょう。
この記事では、生理不順の定義や基準、さまざまな種類、原因、病院を受診するタイミングや目安、生理不順に対する対策などについて説明します。
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正常な生理周期
通常の生理周期は一般的に25日から38日とされています。
毎回同じ日数でなくても、前後6日程度のズレは問題ありません。
ストレスや睡眠時間などの疲労度合いによって、若干の変動が生じることもあります。
一般的な目安としては、生理周期が24日以下であれば短く、39日から89日であれば周期が長いと見なされます。
この生理周期の基準は1950年代のアメリカでの調査に基づいているので目安にしてください。
実際、年代によって生理周期の平均が異なります。
月経
生理は月経とも呼びます。
月経と名前が付く所以は「月の満ち欠け」と周期が同期しているから、という説もあります。
月が地球に影響を及ぼすこととの一つとして海に関する潮の満ち引きなどもあります。
もしかしたら、女性は男性よりも月に近しいのかもしれません。
生理不順とは
それでは、生理不順(月経不順)とはどのような状態を指すのでしょうか。
以下では、生理不順の基準や種類について説明します。
生理不順の基準
次のいずれかが当てはまらない場合、生理不順となります。
・周期が25日~38日の間
・周期のずれが6日前後
・生理の日数が3日~7日
これら以外の判断基準では、卵胞期(生理終了から排卵までの期間)や黄体期(排卵後から生理開始までの期間)の日数、経血量、初経や閉経のタイミングによっても生理不順となることがあります。
生理不順の種類
生理不順(月経不順)の種類には、以下のようなものがあります。
稀発月経
生理周期が39日以上と長い場合の生理不順です。
ただし、周期が長くても定期的に月経があれば問題とはならないこともあります。
頻発月経
生理周期が24日以下と短い場合の生理不順です。
頻発月経では、1ヶ月に2回生理が起こることもあります。
過長月経
生理自体の期間が8日以上と長い場合の生理不順です。
過短月経
生理自体の期間が2日以内と短い場合の生理不順です。
過少月経
経血量が少ない月経のことであり、経血量が多い場合は過多月経と呼ばれます。
過少月経は過短月経と同時に起こる可能性もあります。
更年期前の生理不順
閉経が近づくことでホルモンバランスに変化が起こります。
主に30代後半以降にみられる生理不順の一種です。
なぜ生理不順になる?
生理不順の理由としては、以下のような要因が挙げられます。
ストレス
精神的なストレスや身体的なストレスが生理周期に影響を与えることがあります。
女性ホルモンは、視床下部、脳下垂体、卵巣がうまく連携し働くことで分泌のバランスが取れています。
ストレスを受け続けることで脳の前頭前野、扁桃体の負担が増え視床下部の正常な機能が妨げられ、生理不順が引き起こされることがあります。
過度なダイエット
極端な食事制限や栄養不足によるダイエットは生理不順を引き起こす可能性があります。
食事制限によって女性ホルモンの材料が吸収されなかったり、体重や体脂肪量は、卵巣と密接な関係があります。
過度なダイエットによって過剰に痩せると、女性ホルモンが十分に分泌されず、生理不順が生じる可能性があります。
具体的には、BMIが約19あたりから月経不順が起こる可能性があり、BMIが約16になると無月経になる可能性があるようです。
(BMIは 「体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗」という計算式で求められます。例えば、「47(kg) ÷ 1.58(m)の2乗=18.8なのでBMIは18.8」)
体脂肪率に関しては、体脂肪率が15%以下では卵巣機能に障害が生じる可能性があり、10%以下になると卵巣機能が停止することがあると言われています。
病気の可能性
甲状腺疾患や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気から生理不順となることがあります。
子宮の病気も生理不順となり得ます。
以下では、子宮筋腺症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮筋腫の3つの例を説明します。
子宮筋腺症
この状態では、子宮の筋層で出血が発生するため、月経時の経血量が増加し、過多月経となったり、生理の期間が長くなり、過長月経となったりします。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
この病気は、ホルモンの分泌が正常に行われないようです。
卵胞の成長が止まり、排卵が適切に行われないため、嚢胞が卵巣に蓄積されます。
排卵が不規則になるため、稀発月経や無月経に繋がります。
子宮筋腫
子宮に良性の腫瘍が形成される疾患であり、その位置によって異なる名前が付けられます。
子宮内膜の内側に形成される粘膜下筋腫や子宮筋層に形成される筋層内筋腫では、子宮内膜の表面積が増加し、経血量が増加したり、塊のような血が出ることがあり、過多月経となることがあります。
妊娠
妊娠すると生理が止まりますが、妊娠初期には生理不順が起こることがあります。
月経不順と思われた場合、実際には妊娠していることもあります。
生理は、受精が起こらず不要となった子宮内膜を排出するために起こりますが、妊娠すると受精卵が子宮内膜に着床するため、排出する必要がなくなります。
その結果、生理が来なくなります。
これらの要因が生理不順を引き起こす可能性があります。
病院へ行く目安
生理不順で病院を受診する場合、基本的には生理が3ヶ月来ない場合が目安とされているようです。
3ヶ月以上生理が来ないことは無月経と呼ばれ、排卵していない可能性や病気の初期症状の可能性も考えられます。
年齢によっても多少の目安は異なりますが、20代以上で将来的に妊娠を考えている方や16歳以上の方は、3ヶ月以上生理が来ない場合は一度病院を受診することがいいかもしれません。
10代で初めての生理が来てから3年以内の方であれば、3ヶ月以上生理が来ない場合でも生理周期が安定してないと考えられます。
また、6ヶ月以上生理が来ない場合は、女性ホルモンの分泌に問題がある可能性があります。
この場合も病院を受診することが望ましいです。
妊娠の可能性がある場合は、市販の妊娠検査薬を使用することも選択肢の一つです。
病院で行う検査
生理不順で病院を受診した際には、問診、採血、および超音波検査などが一般的に行われます。
診察中には基礎体温の測定を行い、排卵の状態を調べます。
また、採血によりホルモンの状態を調べます。
子宮筋腺症や子宮筋腫など、子宮内膜の病気の可能性を見るため、超音波検査によって子宮や卵巣の状態を評価することがあります。
生理不順の対策
生理不順の対策としては、以下の5つが挙げられます。
・ストレスをためない
・睡眠をしっかりとる
・過度なダイエットをしない
・厳しい食事制限をやめる
・激しい運動を控える
生理周期を規則正しくするためには、女性ホルモンの分泌を正常にすることが重要です。
強いストレスや睡眠不足、栄養不足によるダイエットが続くと、脳の視床下部や脳下垂体からの指令が適切に出ず、女性ホルモンの分泌に影響を与える可能性があります。
激しい運動も同様で、身体的なストレスになったり、エネルギー不足を引き起こしたりするため、生理不順の要因となり得ます。
適度な運動量を保つことが大切です。
生理中に吐き気や肩こりに悩まされるのはなぜ?
生理のときはプロスタグランジンという物質が増加して、子宮だけでなく体の他の組織にも影響します。
吐き気や頭痛、肩こり、冷え、お腹のゆるみといった症状はプロスタグランジンのはたらきにより発生しますので、場合によっては月経困難症になることもあります。
プロスタグランジン
プロスタグランジンは通常は組織に損傷が生じた際に発生する物質です。
主に『腫脹』や『発熱』という症状や血管拡張を引き起こします。
プロスタグランジンに発痛作用はあまりないです。
しかし「ブラジキニンの作用を増強させる」という作用があります。
ブラジキニンは頭痛や肩こりを引き起こす痛み物質であるため、プロスタグランジン増加によってブラジキニンが活性化されると痛みが強くなります。
生理で悩んだら病院で診察
生理周期には一般的な定義がありますが、多少長かったり短かったりしても特に問題がない方もいます。
思わぬ病気が隠れていることもありますので、生理で悩んだときは病院で診察を受けることで医学的に何が起こっているか知ることができるので安心かもしれません。
まとめ
生理不順について、基準や種類、要因、病院に行く際の目安、対策などについて紹介しました。
生理不順にはさまざまなタイプがありますが、個人差はあるものの、すべてのタイプにおいて女性ホルモンが関係しています。
起床時の基礎体温を記録し、生理周期のどの期間にあるかを理解することも重要です。
生理不順などの異常が見られた場合は、放置せずに早めに病院で診察を受けることが重要です。
放置すると将来的に妊娠を希望する際の妨げになる可能性や、思わぬ病気のリスクがあることを考慮する必要があります。
気になったときは、迅速に病院での診察を受けるようにしましょう。
当院の考えと整体がお役に立てます
基本的に、生理不順は健康な状態とは異なることを意味します。
大本として生理不順があるということは、女性ホルモンもそうですが、女性の生殖器にまつわる組織が正常に働いていないことがわかります。
そして、女性の生殖器が正常でないということは人類の存続に大きな損失になります。
体の中では細胞が活動できることが組織が働けることに繋がり、細胞はエネルギーが必要です。
疲労困憊の日常を送っていたりすれば、細胞はダメージを受けます。
ダメージを受けると炎症物質のプロスタグランジンと痛み物質のブラジキニンが増大します。
筋肉(臓器も筋肉です。)が働かないことには人の体は機能しません。
筋肉を柔らかくすることで血行が良くなり、疲弊した組織の回復が始まります。
回復されるということは炎症物質と痛み物質がその部位からなくなるということです。
もし、あなたが病院に通って生理不順が治らなかったら、当院の整体で回復の力を取り戻すことを検討してください。
知識だけでもあなたのお役に立てたら幸いです。
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